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遍路の準備 ❷ |出発前の歩行練習について

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歩き遍路をする予定だけど、どれくらい前から、どれくらいの量を、どんな感じでやったら良いかわからないという方に、歩行練習についての詳細を具体的に説明します。

遍路に行く前の歩行練習について

どれくらいの距離を歩けるようになったらいいの?

荷物を背負って1日20km。

20kmあれば基本的には次の宿に辿り着けるので、これが最低ラインと言えます。

四国八十八カ所寺の納経時間は7時〜17時なので、時間に関しては約10時間の猶予があります。

これは昼食や休憩も含んだ上でのことになりますが、10時間で20km歩くこと自体はそんなに難しいことではないと思います。

私

きついのは『それを連日行うこと』ですね。疲労が蓄積されていきますから。

ちなみに1日20kmペースだと、遍路は約60日かかります。

荷物は背負って練習した方がいいの?

最初は必要ありません。

ただし歩行練習に慣れて長距離歩けるようになったら、実際に荷物を背負ってみた方が良いでしょう。

一応、歩き遍路に関しては荷物は5kg程度が目安と言われていますが、体格や男女の違いもある為、自分の体重の10%程度と捉えれば良いと思います。

5kgのイメージ

5kgと言われてもややイメージが掴みにくいという方もいるかもしれませんが、水5ℓと同じ重さです。

実際に荷物を背負って練習する際は、飲料5ℓをバックパックにつめる方法が1番簡単です。

私

荷物の有無で疲労具合や進める距離も変わるので、本番前の予行演習として1回は背負って歩いた方が良いと思います。

練習期間はどのくらい必要?

お住まいの地域や、年齢、生活習慣、性別にもよりますが・・・0日〜3ヶ月くらいでしょうか。

これに関しては人によるとしか言えませんが、最長でも半年もやれば十分だと個人的には思います。

中には1年前から練習を始める方もいるようですが、普段まったく歩かず足腰が弱っている方や、よほど心肺機能が弱っている方、もしくはダイエットの必要がある方以外はそこまでの練習期間は必要ないと思います。

これはトレーニングの頻度にもよりますが、あまり早くから始めると、体を鍛えるため(身体機能の向上)ではなく、鍛えた筋肉等を維持するためのトレーニングになってしまうということ。そして長期間モチベーションを維持するのが難しいためです。

私

とはいえ、これに関しては人によるので、ご自分が納得できる期間を選べば良いと思います。

もしダイエットが必要な方の場合は、脂肪を落としやすくなる薬やサプリを使うのもありだと思います。

練習期間の目安

出典:平成30年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について

こちらは加齢に伴う『シャトルラン』と『立ち幅跳び』の変化のグラフです。

生活習慣にもよりますが、やはり若い方は体力がありますね。そして女性に比べ、男性の方が体力があります。

出典:平成30年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について

かといって年寄りは体力がないかといえば、意外とそうとも言い切れません。

上のグラフは、年配の方の『6分間の歩行』と『開眼片足立ち』の年次推移ですが、昔にくらべ年配の方の体力は増加傾向にあるからです。

また年齢だけではなく、あなたのお住まいの場所によっても体力は変わります。

地方では、10分どころか200m先のコンビニ(徒歩3分以内)ですら車で行くのが当たり前だったりもしますからね・・・。

出典:国立健康栄養研究所『平成28年 国民健康・栄養調査結果について』

基本的には都市部にお住まいの方ほど歩く傾向があります。

こちらも生活習慣にもよるので一概には言えませんが、地図の青→緑の地域にお住まいの方は練習量は少なめ。

逆に黄色→赤の地域にお住まいの方は練習期間は多めに取ったほうがよいかもしれません。

練習する季節について

遍路の季節ごとの人口比率は、およそ春夏秋冬で 5 : 1 : 3 : 1。

やはり気候の緩やかな春や秋に遍路に行く方が多いみたいですね。

特に春の遍路者が多いのですが、おそらく真夏にトレーニングしたくない方が多いことが1番の理由なのではないかと個人的には思っています・・・が、どうなんでしょう?でも冬より夏のトーレニングがきついという方は多いのではないでしょうか。

なお春は遍路者が集中するため、四国での宿屋争奪戦に巻き込まれることもあるようで、人気の宿は取りにくくなります。

秋に行きたいけど真夏にトレーニングするのはきついという方は、スポーツジムに行って涼しい環境で練習するのもありだと思います。

練習期間はタンパク質を摂取すること

体づくりに必要なタンパク質を摂取しないと、トレーニングをしてもパフォーマンスは向上しません。

もちろん普段の食事で摂取できれば良いのですが、トレーニングしている場合、普段の1.5倍ほどタンパク質を必要とするので、難しかったりします。

そのため、不足分はプロテインで補う方法がおすすめです。

出来ればタンパク質だけではなく、筋肉作りに必要なビタミンや、骨に必要なカルシウムが含まれているプロテインが良いでしょう。骨も負荷をかければ骨密度は増します。

▶︎ ホエイプロテイン(原料は牛乳)

▶︎ ソイプロテイン(原料は大豆)

▶︎ シェーカー

筋肉は、白筋(速筋)と赤筋(遅筋)の2種類ありますが、遍路の場合必要なのは主に持久筋なので赤筋(遅筋)を鍛えることになります。

ひょっとしたら『プロテイン=筋肉ムキムキの人が使うもの』というイメージがあるかもしれません。

確かに赤筋は鍛えても白筋のように肥大化はしませんが、赤筋を鍛えると毛細血管の数が増える(持久力UP)ので、やはり血管などの原料となるタンパク質は必要になります。

そのためプロテインはマラソン選手なども摂取しています。

摂取量について

出典:健康長寿ネット『三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量』

実は若い人も年配の方も必要なタンパク質量はほぼ変わりません

歳を重ねるごとに食事量が減ったり、淡白なものを好んだりする傾向があるので、年配の方こそ栄養補助食として、積極的にプロテインを摂取したほうが良いでしょう。

トレーニングしている場合の目安は1.5倍なので、男性の場合、とりあえずは1日+30g程度(15g × 2回)プロテインを摂取する感じで良いと思います。

摂取量は、普段の食事量や、トレーニング量、身長・体重、体質等を踏まえ、各々調整してください。

具体的な歩行練習の方法について

平地の練習方法

平地に関しては、『とりあえず歩く→日を追うごとに徐々に距離を伸ばしていく』というやり方で良いのではないでしょうか。

東京や大阪などの大都市にお住まいの方は、自宅から適当に歩き、疲れたら最寄駅から電車に乗って帰るというやり方がおすすめです(同じ景色だと飽きるので)。

地方にお住まいの方は、基本的に出発前にコースを決めて歩くことになると思います(家族が車で迎えに来てくれるのであれば別ですが)。

トレーニング時間については、時間がない方は速度は速め、時間のある方は速度はゆっくりでもいいとは思います。

補足

これはうまく伝わるかわかりませんが・・・

仮に時速6kmで3時間(18km)のトレーニングした方の場合、本番で速度を落とし、3kmの速度で30km(10時間)歩くけるかというと・・・おそらくいけると思います。

しかし時速3kmで6時間(18km)のトレーニングした方の場合、本番でも練習同様3kmの速度で30km(10時間)歩けるかというと・・・ちょっとわかりません。かなり厳しいと思います。

★ 足の着き方は、かかとからではなく足裏全体で

かかとから着地すると、着地の衝撃がダイレクトに膝に来る上、かかとも痛くなります。

土踏まずのアーチは、衝撃を吸収するクッションのような役割も兼ねているため、出来れば足裏全体で着地する歩き方が望ましいです。

私

とはいえ、これ関しては遍路をしていく上で勝手にそうなってくると思うので、練習段階ではあんまり意識しなくてもいいかもしれません。

山道の練習方法

平地をいくら歩いても、山道に必要な筋肉はつきません。

山道に関しては、水平移動ではなく体を持ち上げる必要があるため、持久力(赤筋)と共に体を持ち上げる脚力(白筋)が必要になります。

実際に坂道や階段を登り下りする方法が良いのですが、近年は神社などの階段でもトレーニング禁止の箇所が増えているため、トレーニング場所がないケースも多いと思います。

なので、家でもできるステップ台を使った踏み台昇降運動がおすすめです。

仮に1秒で登って、1秒で降りるとします。

その場合1分で7,5m上昇、7,5m下降。

1時間であれば、450mの山を登って下りたことに相当します。

とはいえ、長時間やり続けるのはかなりきついですし、実際の山も最初は休みながら登ることになると思うので、適当で大丈夫です。

もしどれだけ登ったかを知りたい方の場合、時間で割り出すのは少々難しいので、カウンターを使えば実際にどれだけ登ったのかを割り出すことができます。

仮にステップ台の高さが25cmで、登った際にカウントし、回数が9999回の場合は、2499mの山を登って下りたことに相当します。

25cm × 9999回 ÷ 100(cmからmへ変換) = 2499.75m

ちなみに遍路最高峰の山は、雲辺寺山(標高927m)です。

私

なお集合住宅にお住まいの方は、踏み台昇降運動の際の防音対策をお忘れなく。

私が実際に行ったトレーニングについて

私の場合は、諸事情により急遽2週間前に遍路にいくことが決まったため、ほとんど練習できませんでした。

しかも2年間ほど、毎日部屋でカタカタとパソコンを打っていた生活だったので、徒歩2〜3分の近所のスーパーとコンビニ、ドラッグストアくらいしか出かけてなかったんですよ。月1回くらいは電車に乗って繁華街に買い物には行っていたとは思います。

が、確実に今までの人生で一番体力がない時期でした。

筋力はかなり落ちていて、体重も通常は58kgほどでしたが、その時は52,5kgしかない状態です。

私が実際に行ったトレーニング

5km歩く(足腰に痛みが出たのでしばらく休む)→ 5km(痛みなし)→ 7,5km(痛みが出たので休む)→ 7,5km(痛みなし)→ 10km(痛みあり)→遍路へ

実は練習したのはたったの5回!しかも荷物なし!そして大した距離を歩いていません。

私

もはやトレーニングではなく、リハビリですね・・・。

ちなみにこの歩行練習で0.5kg痩せたので、出発時の体重は52kgでした(身長は173cm)。

なもんで、遍路初日に膝をぶっ壊してます。

練習しないと、どえらい目に遭います!

が、逆にそのおかげで楽しめたし、結願できた部分もあるので正直なんとも言えない部分もあるっちゃあるんですよね。

とは言え、基本的に歩き遍路をする方の多くは歩くのが好きな方だとは思いますが、必要だと感じるレベルの練習量はこなしたほうがいいとは思います。

注意

私は20代の頃は都内で人に抜かれたことがないくらい歩くのは速かったですし、散歩が好きで毎週いろんな街を練り歩いてました。

30代前半では地方を転々としましたが、その時もそれなりに歩いてました(が、歩行ルートを決めないといけないことに加え、歩いても景色が変わらずつまらないため、頻度は低め)。

基本的に元々15km以内なら余裕で歩けるレベルではあったので、マッスルメモリーの影響もあったのかもしれません。

なので、全然歩いてこなかった人が私のように練習もほとんどしないで遍路に行くのはさすがにやめたほうがいいです(念の為)。

終わりに

私のようにあまり練習しなかった(出来なかった)方もいますし、遍路のために毎日20km犬の散歩をしている方もいます。

また実際に歩行練習をしてみて自分には無理だと感じ、一部公共交通機関を利用する遍路にしたという方もおられました。

結局の所、どういった形であれ自分が遍路を結願できると思う練習期間を取り、量をこなせば良いという感じですね。

まあ、なんだかんだいっても基本的に荷物を背負って20km歩けるのであれば、あとは遍路をしている間に勝手に脚力がついてくるのでご安心ください。

私

また練習を重ねる中で、自分が必要としている(機能を備えた)装備なども自ずと分かってくると思います。

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