四国霊場全体マップに加え、遍路をする際の必須アイテムである遍路地図(歩き用と車用)を紹介します。
四国八十八ヶ所霊場マップ
地図上の赤いマークが『四国八十八ケ所』、青いマークが『別格二十霊場』。四国の内陸部はほぼ山地のため、沿岸部の平地に寺が点在する形となっています。
遍路地図
歩き遍路等の人力遍路をする場合は必須!
というのも、場所によっては2〜3日寺が無いような箇所もあるため、グーグルマップ等の地図アプリだけでは廻るのが厳しいからです。
特に宿情報は重要です。宿は遍路道に点在しているのではなく、町ごとにある程度固まっているため、距離に応じて数日先までの計画を立てる必要があるからです。
現状では遍路道保存協力会が発行している2つの遍路地図がおすすめ。これらは数年に一度新しい版にアップデートされます。
① 四国遍路ひとり歩き同行二人【地図編】
サイズ | 言語 | 方位 | 縮尺 | 紙質 | 色 | 初版 | 更新頻度 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
B5 | 日本語 | バラバラ | バラバラ | 薄い | フルカラー | 1990年 | 約3年 | 3300円 |
四国の全体図、寺までの距離、宿、標高図、タクシー会社の電話番号、バスの時刻表、別格20霊場や高野山近辺の地図など必要な情報が網羅されている優れもの。
ただし通常の地図はページ上部が北と決まっているのですが、この地図はページごとに東西南北がバラバラなのが玉に瑕。
地図の縮尺に関しても『1/25000』、『1/35000』、『1/50000』等ページごとに異なるため注意が必要。なんというかちょっと特殊な地図の作りとなっています。
こちらは四国の宿が約1000件ほど掲載されているので、宿情報を知るためだけに買っても損はないと思います。
私の場合はバックパックのサイドポケットに差し込んで携帯しました。
このポジションは見たいときにサッと取り出せるので便利です。ただ雨に濡れたり、折り曲げたりでかなりボロボロになりますけども・・・。
本当は使用した部分は使った端から破り捨てて軽くしてしまう計画だったのですが、地図に色々と情報を書き込んでもらったりしたこともあってやめました。
ちなみに遍路経験者の方はある程度道を覚えているため、普段はバックパックにしまって、休憩時に見て確認するという方が多かったです(老眼だからという理由もある気がします)。
初めての方などは当日の行程の地図の部分をスマホのカメラで撮影し、スマホで見ている方もいましたね。
歩き遍路(日本人)の約9割は、この地図を持参しているため、初めて遍路に行くという方にはオススメの地図です。
皆同じ地図を使っているので、情報共有に便利!
経験者の方から注意すべき箇所などを教えてもらいやすいです。
最新版は2022年9月1日発行の『第13版』となります。
※ 宿や飲食店の廃業・休業などの最新の情報は、公式サイトでお知らせをしています。
② Shikoku Japan 88 Route Guide
サイズ | 言語 | 方位 | 縮尺 | 紙質 | 色 | 初版 | 更新頻度 | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
B6 | 英語 日本語 | 上が北 | バラバラ | 厚い | フルカラー | 2007年 | 1〜2年 | 1980円 |
こちらは先ほど紹介した遍路地図の英訳版。
地図の部分は、英語表記+日本語表記なので英語がわからなくても問題なく使用できます(ただし地図以外の説明文等は全て英語表記となります)。
日本語版に比べ、倍くらいの厚みがあるので折り曲げは不可能ですが、山谷袋やチェストバッグ、サコッシュにも収まりやすい小さめのB6サイズとなっています。
この地図はページの上が全て北になっているのが特徴です。
特徴というか地図としては普通ですね。
元々は英訳版という形でしたが、現在は独自の進化を遂げているようで、ルートや、掲載されている宿も日本語版とは若干異なります。
歩き遍路(外国人)の約半数は、この地図を持参しています。こちらは外国から来た方や、外国から来た方と触れ合いたい方、もしくは2巡目以降の遍路経験者の方にオススメです。
最新版は2023年1月発行の『第8版』となります。
③ その他の遍路地図(車用)
遍路地図は他にも多数出版されていますが、基本車向けのものとなります。
ルートだけでなく、寺の情報(歴史等)も詳しく載っているものもありました。ただしこれらのものは宿の情報があまり載っていない点がデメリットだと思います。
車遍路の場合、スマホ等で逐一宿を調べるという方は特に問題ないですが、普段ガラケーを使用していてインターネットをほとんど利用しないという方は、車遍路でも遍路道保存協力会が発行している地図を持参した方が良いかもしれません。
もし車用をお探しの場合は、以下の地図が評判が良いのでお勧め。
ちなみにサイズはA4なので一番大きいです。
▶︎ 四国八十八ヶ所クルマ巡礼 ドライブお遍路
【最新】2023年8月発行 (同シリーズ6冊目)
遍路地図を使用する際の注意点は?
私は遍路中、道を間違えてしまったことが何度もありました。
そこで遍路保存協会が発行する遍路地図を使用する際の注意点を4つお伝えします。
❶ 縮尺がページごとに異なる
遍路地図の縮尺は『1/8000』〜『1/70000』と様々。
ただし地図の9割は25000・30000・35000・50000の4つの縮尺なので、そんなに見にくい、勘違いしやすい、誤解しやすいというものでもありません。
現に私はこれに関しては特に間違えたり、不満に思うこともありませんでした。が、一応注意喚起。
❷ 細かい道は載っていない(次の路地編)
これは縮尺の都合もあるのですが、遍路地図では細かい道は載っていません。
そのため地図に載っている通り『次の路地を左に曲がる!』というような歩き方をすると・・・正解の順路ではない場合があります。
実際は次の次の路地を左が正解だったりします(次の次の次の次みたいなケースもある)。
これに関しては目印となる建物や案内板を見落とさないことが肝心。
また基本畦道のような道は載っていないので、そういったもので判断するのもありだと思います。
❸ 細かい道は載っていない(Y字路編)
地図では一本道のはずなのにY字路にぶち当たることもままあります。
どちらもアスファルトで道幅もほぼ同じケースも多かったので、私はこれに結構悩まされた記憶があります。
そういう場合は、道路の前後を見てどちらが道なりになっているかを判断して進めば問題ありません。
これは先ほどのケースと同様に縮尺の都合なのかもしれません・・・が、私道だったり等で単純に端折ってるような部分もあるような気がします。
❹ 未舗装路の遍路道はぼんやりしてる
赤い点線が歩き遍路ルートです。
『畦道』や『未舗装路の山道』などは、うっかり見落としてしまうケースもちょこちょこありました。
基本的に、わかりづらい所などを中心に木製の案内板が設置されているのですが、全ての箇所にあるわけでもありません。
脇道があるという辺りにきたら注意深く進みましょう。
遍路に慣れてくれば地図の見方もわかってきますし、自分がどれくらいの距離を歩いたかが感覚で分かるようになるので、迷うことなく進めるようになります。
なおルート自体は複数あるので、ぼんやり歩きたい時や考え事をしている時は国道を通るなど状況に応じて好みのルートを選択するのが良いと思います。
あと個人的には、紙の地図だけでなく、地図アプリとの併用がおすすめです。
終わりに
遍路地図はごくごく一部の寺でしか売っていませんし、私は遍路道沿いで本屋を見たという記憶もありません。
遍路地図は現地調達が難しいアイテムの1つなので、できるだけ出発前に購入しておくことをオススメします。
もちろん出発前の計画を立てる際にも必須です。