本日の行程は長距離の為、早めの6時15分頃に出発。
初の20km越えの巻
交通量の多い大きな通りをしばらく進む。退屈な道だ。
今日も暑くなりそうだ。
でも夕方からは雨の予報。まだこのくらいの時間でこれだけの距離が歩けるというような “自分の距離やペース” ってものが分からない。そのためできるだけ急がなくてはならない。
お遍路用品の店はここにもあった。でも営業時間外だったため、どんな店かは不明。
今日初めて遍路シールを見たような気がする
・・・が、あっても気づいてないだけの可能性が高い。
川の中に生えてる木って珍しいような・・・。
橋を渡りきったところに休憩所。これはロータリークラブの作ったものらしい。
今日は、手の肉刺対策として手袋をはめてきた。
持ってんだったら最初から使えよ!・・・と、思った方もいるかもしれないが、これにはもちろん理由がある。単純に暑いのではめたくなかったのだ。
いつのまにやら怪しい雲行きに。そしていつのまにやら前方にお遍路さんも現れている。
ギョエー!雨が降って来た!
夕方どころかまだ朝の8時すぎなのに・・・。
慌てて雨具を用意するが、心の準備をする間も無く降られるのは困る。
アスファルト道沿いを進んでしまったが・・・違った。どうやらここから上がる未舗装路が寺へ向かう道への入り口のようだ。
未舗装路のやや急な斜面を登る。
やはり山では杖があるとないとでは、かなり違う。登りやすい!
第18番 恩山寺(おんざんじ)
前を歩いていたお遍路さんは、2日目の民宿富士で一緒になった【エヴァーさん】だった。
ちょうど鉢合わせたソフィーさんに聞いたら、お友達なんだそうな。どうやらフランスから友人数人で遍路しにきたらしい。でも彼女らは遍路に関しては完全別行動らしく、宿も含め、各々自由に廻っているとのこと。ちなみに2人はちゃんとお経もあげていたので、本格派のお遍路さんといっても差し支えないだろう。
実は彼女達は “ 民宿富士手違い事件 ”の張本人。日本語の少し出来るソフィーさんが、エヴァーさんの代わりに宿の手配をしたことにより誤解が生じ、私が民宿富士に泊まるきっかけになったのだ。とはいえ、結果オーライなので、二人には感謝である。
三重の先達さん
歩きでは16回、今回で21回目の遍路だという【三重の先達さん】は、柔和で優しい印象のおじさんだ。『自作のお遍路行程表』や『遍路宿の名刺』を頂いた。
牛舎の脇を通った先には・・・
ワンコが5、6匹。ギャンギャン吠えてきて、超怖い!
えっ!こんなとこ通らなきゃいけないの?
・・・と思ったら、案の定間違っていたようで、牛舎のご主人に正しい道を教えてもらった。
竹林遍路道を進む。うーん、これはいい道だ。
1000年以上前の遍路道は、こんな感じだったのかな。
痛めてる足の逆側の手で杖を持つと具合がいいということにようやく気が付いた。こうすることで、着地時にかかる荷重を手に分散できるのだ。
雪国でもないのに、やたら縦に長い屋根のヘンロ小屋。
この近辺は冬に雪が降るのだろうか。そうは思えないのだが・・・。一体どういうつもりでこんな造りにしたのだろう。謎。
ちなみにこのヘンロ小屋は、飴玉のお接待付き。
ここは評判の良い人気の遍路宿らしい。
第19番 立江寺(たつえじ)
11時頃に到着。悪くないペースのような気もするけど・・・分からん。
広島のおじさん
寺を出たのにわざわざ戻ってきて声をかけてくれた【広島のおじさん】。
「もしものために持ってた方がいいよ〜」ってな感じで、絆創膏(湿潤タイプ)をくださった。ありがたい。
んで、雨具の話をしていたら「折りたたみ傘より、こっちのほうがいいかも〜」ってな感じでポンチョもくださった。びっくりしたけど、誰かにあげる為に余分に持ってきていたそうだ。すごくありがたい。
さらに足を痛めている話をしていたら、「じゃあ、これ使って」と今現在使っていたであろうトレッキングポールまでくださった。
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正直な所、ここまでされるとちょっと怖い!
何か裏があるんじゃなかろうかと勘ぐってしまう。
しかしよくよく話を聞いてみると、このおじさんは1番の寺からスタートしたのではないらしく、もう半分以上の寺を廻ってきたと言う。その道中、色々な人に助けてもらったり、お接待をしてもらったので、もし困ってる人がいたら自分もしてあげようと思っていた・・・ということがこの一連のお接待攻勢の理由らしい。
なるほど。そういうことなら納得。
あと単純にプレゼントをして相手が喜んでくれるのが嬉しいって気持ちも分かるので、ありがたく受け取った。
香川の先達さん
エヴァーさんに声をかけている【香川の先達さん】。
遍路初心者に対し「なにか困っていることはないか?」等の声かけをすることは、先達の役目の1つでもあるようだ。
頂いたトレッキングポールは、木の杖とは比べ物にならないくらい使い心地が良かった。うーん、文明の利器!
田舎道をひたすらまっすぐ進む。
三重の先達さんと一緒になったので、食事をする所を聞いてみたら、ちょっと遍路道を外れた所にうどん屋があるとのこと。目を凝らして見ると、遠くに目印のパトランプとのぼりが確認できた。
ここを逃すとコンビニしか無いそうなので、ちょっと寄ってみることにする。
うどんみぽりんか・・・。
ひょっとしたらあの中山美穂がやっている店という可能性もあるな。(あるわけない)
うどん みぽりん
みぽりんに到着。プレハブタイプの店構えだ。
おすすめされていた牛すじ温玉ぶっかけうどんを食べる。
勝手に厨房に入ったりしてたから、てっきり店主だと思ってた・・・が、違った。常連客のおじさんだった。
おじさん曰く、遍路道から外れるがこの辺りは食い物屋が無いこともあって、この店にもお遍路さんはちょくちょく訪れるそうだ。
あと礼文島の『桃岩荘』なるものを教えてもらった。「機会があったら行ってみな」と。この店の壁にも北海道っぽい写真がいくつか貼ってあるので、ひょっとしたらおばさん(みぽりん)もそういうのが好きなのかもしれない。
非日常を味わうにはよさそうな所なので、それこそ機会があれば行ってみたい。
のどかだ。天気はイマイチだけど。
まるで映画や漫画の世界に出てきそうな建造物だ。
雨が降ったり止んだりを繰り返していたが、とうとう本降りになる。
道の駅 ひなの里かつうら
目的地である道の駅に、15時半頃到着。
長距離ということで心配していたが、歩ききることができてホッとした。ここから宿に電話をかけ、マイクロバスで迎えにきてもらう手筈になっている。
バスに乗車。宿の運転手のおじさんのスマホの着メロは『六甲おろし』だった。どうやらタイガースファンらしい。
今日のお宿 ふれあいの里 さかもと
ここは廃校になった校舎を改装したという珍しい宿。実は農業体験を売りにした宿泊施設でもあるのだが、場所柄、客はお遍路さんがメインなのだそう。
各客室には学校にちなんだ部屋の名前がついていた。ちなみに私の部屋は、保健室(きんかん)。
本当の保健室だったら良かったのだけど。
なお今日会った3人のおじさんもこの宿だった。
韓国から来たシンさん
韓国から遍路に来た【シンさん】。彼はなんと私と同い年だった。
今は韓国のお盆休みらしく、今回の遍路は2週間の予定なのだそう。歩くのは好きらしく、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路に行った話を聞かせてくれた。これはキリスト教の巡礼で、言うなればスペイン版のお遍路のようなものらしい。
なお彼は以前無理をしてしまい、足の靭帯を怪我してしまった苦い経験があるとのこと。現在は治ったそうだが、それ以降長距離を歩く際は、トレッキングポールを使い4足歩行にすることで、足だけに負担のかからない歩き方にしているそうだ。
彼とはどうやら明日の宿も一緒らしい。なんだかお楽しみが1つ増えたような気持ちになった。
歩数 | 38955 歩 |
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距離 | 約 25 km |