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野宿遍路の必須アイテム
遍路で野宿をするなら『萩森リスト』は必須!
遍路道沿い付近で野宿できる場所や、安価な宿の情報、一部萩森リスト提示で割引になる宿などが記載されています。
サイトで無料配布しているので、誰でもダウンロード可能。プリントアウトして持っていくと役に立ちます。
私も萩森さんにはお世話になりました。
● 萩森善根宿は、男性は外の小屋、女性は自宅に泊まれます。私の時は小屋に不具合があったため自宅に泊めていただきました。なお現在は男性用の小屋は辞めたというような情報をネットで目にしたのですが・・・詳細は不明。
● リストに載っている宿など有益な情報を、萩森さんが地図に直に書き込んでくれます。女性の場合は、直接書き込みはせずに該当箇所を指示してくれると聞きました。
● 宿主があんまりおおっぴらにしたくないという善根宿なども紹介してくれます。
● 萩森さんは高齢なので、直接四国を廻っているわけではありません。私が行った当時は、とある職業遍路のような方がいてその人が萩森さんに情報を提供。そしてその情報をもとに、善根宿や宿屋等に萩森さんが電話をかけてリストに載せてもいいか、割引できないかなどを交渉するという形でした。
● 以前は別の方のブログで『萩森リスト』を公開していましたが、現在はご家族の方が運営しているホームページになったみたいです。ちなみにブログもあるようです。
● 萩森リスト提示で割引という宿は、現在、ネットで情報を見たことを伝えるだけでもOKになった模様。
萩森リストに電話番号が記載されているので、遍路中に寄りたい場合は、直接本人に連絡するという感じですね。
なお私は地元の人間では無いので、萩森さん及び、萩森庵の現在の詳細は分かりません。
詳しく知りたい方は現地にいった際に、ホームページ、もしくは電話で問い合わせてください。
遍路にテントは必要なのか?
歩き遍路にテントは必要なのでしょうか?
- 野宿はするけど持っていかないリピーターの歩き遍路の方
- 実際にテントを持っていった歩き遍路の方
- 遍路事情に詳しい宿のご主人
立場の違う3者から現地で話を聞いたのですが、全員「テントは必要ない」と言っていました。
理由は、重いので疲れる・そもそもテントを張れる場所自体が少ない・朝露で濡れるためテントをしまえず、乾くまで出発できない等、要はメリットよりも遥かにデメリットの方が大きい為らしいです。
というわけで、歩き遍路には基本的にテントは必要ないと思います。
そのため遍路装備一覧に寝具は書いていますが、テントは載せていません。
実際に私が遍路をした際、野宿をするという方はちょこちょこいましたが、テントを持っていた方はたったの2人だけ。通夜堂や善根宿もある為、遍路にテントを持っていく方は極めて少ないです。
ただ寒さを凌ぐ為の真冬の歩き遍路、安全目的の女性の歩き遍路、機動力のある自転車遍路・バイク遍路の場合は、持っていっても良いかな・・・とは思います。
もしテントを持っていくのであれば、アスファルトの上でも使える自立式、かつ軽量なモデルですね。
軽量+自立式のテント
コスパ重視のテント(中国製)の場合
安価なテントや、遍路だけ使いたいという方は、ネイチャーハイク(中国のブランド)の1人用テント(1300g)。
あとはギアトップ(アメリカのブランド)のグランドシート(145g)でしょうか。
品質の良いテント(国産)の場合
国産で造りの良いものを探している方や、遍路後も山などで使いたい方、予算に余裕がある方はアライテントの『エアライズ1』(1360g)。
▶︎ オレンジ
▶︎ グリーン
▶︎ アンダーシート(170g)
テントはこの辺りでしょうかね。
自転車やバイク遍路で虫だけ防ぎたいという場合は、インナーテントのみ持参でもよいと思います。
野宿禁止!?四国遍路の野宿事情
ネットの野宿場所の情報について
ネットに出回っている野宿場所の情報は、基本的にはあんまり信用しない方がいいと思います。
情報が古い場合は、野宿禁止になっている可能性が高いからです(ネットで出回る→訪れる遍路者が増加→荒れる→禁止)。
個人的には、数ヶ月で定期的に更新している萩森リスト、そして現地に行った際、その近辺に住んでいる地元の方の情報、年に数回廻っているレベルのリピーターのお遍路さん以外の野宿・善根宿情報はあんまり信用しない方がいいと思います(念を押しますが、情報がそもそも間違っているというわけではなく、現在は野宿禁止になっている可能性が高いという意味で)。
野宿はグレーゾーンな行為
野宿は、違法とも合法とも言えず、グレーゾーンな行為です。
これは遍路文化のおかげで比較的ゆるい傾向にある四国でも同様。
あくまで地元住民の善意で許されているだけ。心構えとしては、合法でもなく、違法でもないが、『非犯罪化(違法だが刑事罰はなし)』くらいの感覚でいた方が良いかと思います。
ちなみに四国の公園や道の駅でも野宿を禁止している所もあるので注意。
迷惑をかけなければ基本問題ないとは思うのですが、なかなかそうはいかないみたいです(野宿者の方に問題あり)。
野宿遍路者の風呂事情について
四国には、銭湯がある街も、銭湯が無い街もあります。またスーパー銭湯は、街の中心部ではなく大抵街の外れにあります。
1日歩いて浴場がないというケースは稀ではありますが、野宿をしている歩き遍路の方は、基本風呂に入りません。その理由は単純明快。面倒くさいからです。
私の宿選びを例にだすと、基本遍路道沿い付近の宿を選択。遍路道から外れても、せいぜい1kmくらいまで。1km以上だとよほどのことがない限り行きません。
これは他の歩き遍路の方も同じですね。なんせ連日歩き通しで疲れていますから。
野宿遍路者の場合、寝具などを積んでいる為、宿泊遍路者に比べ荷物が多いですし、銭湯やスーパー銭湯に行くには基本遍路道を逸れる必要があります。
そういう事情もあって、野宿タイプの遍路者は風呂に入らないんですよ。本当に。遍路中に「6日ぶりの風呂だ」とツイートしている方もいるくらいですし、3日〜4日に1回とかが多いのではないでしょうか。
そのため野宿遍路者は基本悪臭を放っています。コンビニなんかはギリギリ行けても、飲食店には入れない状態の人も多いでしょう。
個人的な意見ですが、野宿遍路をするのであれば、最低でも2日に1回は風呂は入って欲しいです。
野宿遍路者は四国民にとってデメリットはあってもメリットはない
四国で野宿を禁止にする場所は年々増えていますが、これは遍路者のマナーやモラルの欠落が主な理由のようです。
その結果、近隣住民からのクレーム等で野宿禁止になります。
ちなみに私が遍路した時にもらった当時の萩森リストにはこのような文言が記載されていました。
正直、モラルやマナーに気を使い『最終バス〜始発の時間にちょっと寝るだけ』であれば、問題なかったとは思うんですよ。地元の人も気づかない、気にならないレベルであれば。
しかし実際は、汚したり、ゴミを置いていったり、他の遍路者と談笑したり、酒飲んで大声で話したり、始発の時間になってもグースカ寝ていたり、風呂に入ってないから残り香が臭かったり、トイレがないのでその辺で済ませたり等の理由で、地元民は迷惑を被ることになるわけです。
地元の方も遍路に無関心な方も増えたようですし、野宿遍路のマナーも悪くなったのであれば、無用なトラブルを避けるためにも禁止にするのは当然だと思います。
こういったことに関しては、他所から来て野宿遍路をした方の情報よりも現地の方の情報が理解しやすいと思います。
さらに言えば、遍路は四国の主要観光産業の1つだと思うのですが、全部野宿で廻るという遍路者が来たところでまったく金になりません。
実は花火大会はコロナ禍以前から「地域の経済に寄与しない(ごみ問題、花火だけ見に来る、テキ屋は地元企業ではない)」ことがわかってきて取りやめた自治体が増えてて(福岡でも大濠公園と春日市がやめた)、そこにコロナがとどめを刺したとか… https://t.co/WnrYbz9Fn9
— らいむ/Lime????? (@wenslime) July 5, 2022
規模や形態は異なりますが、花火大会で例えると、野宿遍路者は『ただ花火だけ見に来た人』と同様。(実際に自炊前提で保存の効く食料を積んでくる人もいたりするようなので)。
野宿遍路者は、地域の住人にデメリットはあってもメリットはないんです。
野宿遍路者唯一のメリットは、『地域住民の暇つぶしとしての話相手になる』ってことくらいですね。ほんとにそれくらいしかないです。
野宿するには理由が必要
遍路で野宿をする場合、やはり地元の方が納得する理由は必要だと思います。
近年アウトドアブームですが、アウトドアしたいからという理由は・・・ダメだと思います(キャンプ場でならOKですけど)。
アウトドアに関しては、別に遍路じゃなくても出来ることなので、そういった理由であれば、遍路ではなくアウトドアの旅に変更すればよいのではないでしょうか。
もちろん遍路をすること自体に理由は特に必要ないですが、野宿遍路をするのであれば話は別。地元の方にはメリットがないため、やはりそれなりの理由は必要だと思います。
ただし数回だけであれば、理由は「すごく疲れたから」とか「ちょっと野宿をしてみたかった」とかでもいいような気はします。個人的には。
野宿する際の基本・注意点
これらは実際に私が遍路をした際に現地で色々な方に聞いた情報です。
・辺りが暗くなってから就寝準備をし、早めに寝て早朝立つのが基本。
・場所によっては職質されることもあるので、身分証は必須(これは逃亡中の犯罪者が遍路をしていることもあるため)。
・遍路を切り上げた後、夕方から寝床を探すのは初心者には無理。前もっていくつか寝床の候補を決めておくこと。
・野宿をしていて一番怖いのは人。
・野宿で困るのは蚊。蚊取り線香等の蚊対策は必須!なお気温が20度以下になると蚊はいなくなる。
・ムカデも困る・・・が、20回くらい野宿メインで廻ってる人が1度だけ刺されたことがあると言っていたので、そこまで気にしなくてもいいかも?
・よほど慣れているか、かなりおおらかな性格の持ち主じゃないと、3時間くらいしか寝れないし、基本疲れは取れない。
・自分がヘマをすると、その後その場所は野宿禁止になる可能性が高いことを肝に命じる。
・場所にもよるが、連泊しないほうが良い。善根宿などは基本連泊禁止。
・高知をすぎると野宿する場所は極端に減る。というより、高知が一番野宿しやすい県。
・道の駅など、何らかの施設のそばなら必ずスタッフに尋ねたり、断りを入れる。
・割と有名な野宿場所などは、他のお遍路さんも利用するので注意が必要(職業遍路というか、ホームレスみたいな人もいるので盗難に気をつけること)。
・機動力のある自転車やバイク遍路の場合、数キロ遍路道を逸れた場所がいいかも?(四国にはキャンプ場も多い)。
終わりに
・野宿をするなら萩森リストを持って行くこと
・野宿にテントは基本必要ない
・野宿をするなら理由を用意すること
・野宿をするなら清潔にすること
・野宿をするならなんらかの形で四国民に還元すること
・野宿、善根宿、通夜堂を利用するならモラルやマナーに人一倍気を使うこと
個人的には、風呂や洗濯等の問題もある為、野宿遍路でも2日に1度は宿に泊まるという遍路スタイルが良いと思います。