痛いの痛いの飛んでかないの巻
朝8時半頃出発。
だが膝が痛い!
足を引きずるようにしか歩けないため、十楽寺の階段を恐る恐る降りる。
するとその様子を見ていた【民宿富士のご主人】に「バックパックの背負い方が悪い」と声をかけられ、直してもらった。親切なおじさんだ。
「今日の宿は決まっているのか?」と問われたので、決まっていない旨を告げた所、「残念ながら今日は予約がいっぱいで泊められない」との返答。心の中で、なんじゃそら、と思ったが、おじさんなりに心配してくれたのだろう。お礼を言って別れた
・・・のだが、しばらく歩を進めていると、再び車に乗った民宿富士のご主人に声をかけられた。どうも手違いがあったようで部屋が空いたとのこと。せっかくなので今夜の宿をお願いすることにした。
ご主人は荷物を預かってくれて、「これに必要なものだけ詰めて使いなさい」と小さなリュックを貸してくれた。荷物が軽くなれば、当然膝の負担も軽くなる。これはありがたい。
納経帳やろうそくなど寺で使用するものだけつめて、再出発。
まずは住宅地を進む。
そして川を越える。
四国の道は所々に遍路シールが貼ってある。この目印をたどっていけばいずれは寺に着く。
お遍路さんを発見!
いとこの二人
茨城の青年と、千葉の女学生。2人の関係は従兄妹だそう。
区切り打ちになるのか、通し打ちになるかはまだわからないそうだ。元々は女の子一人で廻りたかったそうなのだが、『親が心配』という事情もあり、暇な男の子にお声がかかったらしい。なお男の子はニートだそうで、毎日ゲームをやって過ごしてるとのこと。
二人ともやりたいことが分からないというようなことを言っていたので、どうもそういう理由で遍路しに来たみたいだ。
第8番 熊谷寺(くまたにじ)
ちょっと迷いながらも到着。
彼は寺についてそうそうおにぎりを食べ始め・・・
彼女はそそくさと本堂へ。お互いマイペースな感じだ。
彼らはロウソクやお線香は使わず、読経もしないという遍路スタイル(参拝+納め札)らしい。
「じゃ先行きますね」の図。
今日もパッとしない天気だが涼しい。これはこれで良い天気といえるかも?
次の寺も近い。序盤は割と寺が固まっているのだ。
数百メートル前に、いとこの2人が見える。
が、追いつけそうで追いつけない。
彼らは足を痛めてる私とほぼ同じペースなので、比較的ゆっくりめの速度だ。時速3km強くらいだろうか。
第9番 法輪寺(ほうりんじ)
写真の撮り忘れはもう3回目だ。いい加減にしろと言いたい!(自分に)
フランスからきた女性
境内で【フランスから来たソフィーさん】から代わりに電話をかけてくれないかと頼まれた。どうやら本日泊まる予定の宿をキャンセルし、明日泊まる予定の宿に本日泊まりたいらしい。なるほど。ガッテン承知の助!
しかし民宿に電話したのはいいが出てくれない。2回かけても。電話番号は間違っていないはずなのに・・・なぜだ?
するとそれを見ていた従兄妹の女の子が「私からかけてみましょうか?」と言ってくれたので、お願いしたら、あっさり出たようだ。なぜだ?番号は間違っていないはずなのに!
結局、当日だとキャンセル料がかかるらしく、すったもんだの結果、変更せずにそのままという結果になってしまった・・・。
またそのすったもんだの最中に民宿富士のご主人から「相部屋になってもいいか?」との電話がきたので承諾した。またしても手違いがあったようで、元々の宿泊客はキャンセルをしたわけではなかったらしい。
むむむ、初っ端から相部屋は正直きついが、成り行き上しょうがない。
なお相部屋のお相手は、結願後、1番の寺にお礼参りに向かうという若い男の子だそうな。
88箇所全ての寺を廻ること。
結願後、寺にお礼の意味を込めて再び参拝すること。もしくはボコられた相手に報復すること。
門前 あわじ庵
9番法輪寺の山門前にある『あわじ庵』。
ここは先ほど民宿富士のご主人から「お接待してくれるからぜひ寄って行きなさい」と言われたお店。草もちを買ったら、色々とお接待してくれた。
小豆洗い大師。
でもとてもじゃないが、小豆を洗えるような水では無かった。
掘っ建て小屋。
なんのための建物だったのかは不明。
この辺りでどうすれば膝が痛くないように歩けるかが分かってきた。膝を曲げた状態で力を入れたり体重をかけると痛むので、膝を曲げなければ平気みたいだ。
案外なんとかなるかも!
反対側から歩いてきたお遍路さんに挨拶後、ちょいと立ち話。結願したので、これから1番の寺にお礼参りにいくのだそうだ。
ん?!ひょっとして・・・
尋ねた所、やはり本日の相部屋のお相手だった。とりあえず軽く挨拶をしておいたのだが、好青年だったので少し安心した。
絵の可愛らしさとは裏腹な恐ろしい看板を見て、恐怖におののく。
なんだか今日はやけに人が多いと思っていたのだが、どうやらお祭りの日のようだ。
出店が立ち並ぶ通りを進む。うどんの出店があるってのがなんか四国っぽい。
東京ご夫妻
参道の中腹で声をかけてくれた休憩中の東京ご夫妻と談話。昨日とは打って変わり、短パンにサポートタイツというスポーティーな出で立ちである。
なお10番の寺はもう打ち終えてきたそうだ。
しかしこのご夫婦はなんか知らんがえらく感じが良いな・・・。
寺へ行くには333段の階段を登らなくてはならないようだ(横の坂道でも可)。
第10番 切幡寺(きりはたじ)
ヒーヒー言いながらも到着。
あれま、いとこの2人にいつのまにか抜かされていたようだ。
膝の痛みは、登りよりも下りの方がキツイ。でもここは階段だけではなく、坂道という選択肢もあるので助かった。
なんと民宿富士のご主人が心配して、わざわざ様子を見にきてくれた。
そして「なんかあったら電話せーよ!」と言い残し、車でプイーンと去っていった。ショートメッセージもちょこちょこ送ってきてくれたりするし、かなり面倒見のいいおじさんみたいだ。
お遍路さん用の休憩所であるということを、マネキンを使って表現しているらしい。
しかしそれを知らずに、夜中ここを通ったらびっくりするだろうな・・・。
ヘンロ小屋で休憩。
小屋の中には書き込み用のノートが置いてあった。パラパラとめくって見たが、外国の方の書き込みも割と多い印象だ。
個人的には、こういうのって何を書いたらいいのかよく分からない。一体誰に向けて書くものなんだろう。後続のお遍路さんに向けて書くものなのだろうか?それとも便所の落書きみたいなもの?
休憩をしていたらまたもいとこの2人に抜かされる。
別に競争しているわけではないのだが、速度が同じくらいなので抜きつ抜かれつのデットヒートになってしまうのだ。
ボランティアのおじさん
ヘンロ小屋に【遍路道でアドバイスをするようなボランティアをやってるというおじさん】が現れた。
おじさん曰く、遍路のような長距離の歩き方にはコツがあるらしい。
具体的には
・膝をあまり曲げずに、足の付け根から踏み出す
・着地はかかとからではなく、足の裏全体で踏むようにして歩く
ということらしい。
これさえ気をつければ、「腰の曲がったオバァでもぐんぐん坂道を登りよる!」そうだ。他にも色々言われたが、終始「教えちゃるけんよう聞いとけよ〜」といった具合で、ちょっと面倒臭そうなおじさんだった。
とはいえ、素直に聞いたけども・・・
そこに外国人のお遍路さんが通りかかる。おじさんがそちらに向かったのを見て素早く離脱・・・したのだが、すぐに「あの外人にも渡してこい!」と言われ冊子を渡された。冊子の中身を見たら、全部日本語。英語表記ゼロの冊子を渡すこっちの気持ちも考えてくれよ、と思ってしまった。
とはいえ、一応渡したけども・・・
2人は冊子をずっと手に持ったまま歩いてたのだが、途中自販機のところでわざわざ止まり、私に気づかれないようゴミ箱にこっそり捨ててたっぽい。
この二人にとっちゃあ荷物兼ゴミだもんな。そりゃそうだろう。おじさんの頼みは断るべきだった・・・とはいえ、教えてもらった手前断りにくかったのも事実。しょうがない。
柵のない変な橋を渡る。
この橋では毎年、調子に乗った小学生が何人も落ちている・・・気がする。
藤井寺まで4kmということは、宿まではあと3kmくらいか。
ここから市街地。
しかし歩けども歩けども地図に載っている建物や目印が見つからない。その上、道を聞こうにも歩いてる人は皆無。これは困った。
交番で聞いた所、Y字路で道を間違えたことが判明。しっかりしろ。
徳島駅へ向かう東京ご夫妻とまたもや遭遇。11番の寺まで打ち終えたところで、今回の遍路は終了らしい。
道を間違えて無かったら再び会うこともなかったから、結果的にはよかったのかもしれない。
今日のお宿 民宿富士
16時20分頃到着。
相部屋の青年は、結願ほやほやなので攻略方法や貴重な話をたくさん聞かせてくれた。
しかし膝は相変わらず痛い。明日は山の行程だが、こんな足で登れるのだろうか・・・。
歩数 | 30508歩 |
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距離 | 約 19 km |