今日は四国遍路最大の打戻りの為、往復40km以上の行程だ。
心の声を聞けの巻
天気がいいのは嬉しい。雨だとさすがにこの距離は辛いから。
津波避難用の施設を至近距離で眺める。
建物をぐるっと囲んだ形状の登り口は、階段じゃなく傾斜のついたスロープになっている。イナバ物置の比じゃないくらいのたくさんの人が乗れそうだ。
通りを曲がった先の、二股道でしばし悩む
・・・が、どちらも不正解だった。どうやらここにくるまでの道を間違えたらしい。
ここを曲がるのが正解だった。失敗失敗。
お休みでも、遠慮なく入っていいのだろうか・・・。(ダメだろう)
外国から来たお遍路さんのために英訳が書いてあるのかと思ったが、どうも副題(サブタイトル)っぽい。
しかしこういうのって誰が書いているんだろう。もし地元のヤンキーの落書きだったら笑っちゃう。微笑ましすぎて。
木陰があると涼しい。
こういうのってある程度の抑止力にはなるのだろうか。
海沿いの道や山道はこういうブラインドコーナー(見通しの悪いカーブ)が多い。基本的には、道路の外側(アウトライン)を歩くのが安全だ。
カーブによって右側・左側と歩道をちょろちょろ変えるのは面倒臭いが、車に轢かれる方がもっと面倒臭いことになる。
今日は大体こんな感じの道をひたすら歩く感じかな。
でも景色はとてもいい。海が青い。
大阪の青年は「このルートは、遍路道よりいっそ国道を通った方が早い」と言っていたのだが、静岡のおじさん曰く「ここだけは遍路道を通ったほうが早い」とのこと。
傾斜のきつい坂道をえっちらおっちら登る。
ここはちょっとした丘だ。そしてすぐ降る。
ちなみにこのショートカットの道は『あしずり遍路道』。
打ち戻ってきたギルくんに遭遇!寺まではあと5kmくらいだってさ。
知ってる人にばったり会うとちょっと興奮する。
cosmic country cafe たぬき
なにやら不思議なカフェがあったので、吸い寄せられるように店内へ。
店主のヒッピーのおじさん。
これはバナナの茎なのだそう・・・って、え!ここにはバナナの木が生えてるの?!
バナナはこんな感じで吊り下げて、熟すのを待つらしい。
バナナの木があることにも驚いたが、木で熟すまで待たないことにも驚いた。それだと海外から輸送して、スーパーで売ってるバナナと同じだ。
この店はカフェだが、マッサージもやっているとのこと。その名も『頭蓋仙骨療法』。
せっかくなので受けてみたが、実に不思議な施術だった。これは店主が昔インドで覚えて来たというマッサージらしい(常連っぽいお客さん談)。
以前は今治に住んでいたと言う店の青年。ちなみに彼の座ってるところが施術台である。
彼は明るくいつもニコニコしているのだが、スマホのカメラを向けると急に笑みが消えてしまう。やはり無意識に構えてしまうのだろう。気持ちはすごくわかる。3回向けてやめてを繰り返したのだが、だめだった。
でもひょっとしたらこれが彼のキメ顔なのかもしれない。
そうだったらいいなぁ・・・
彼からは、私の歩く姿勢が猫背になりがちだから行進するように背筋を伸ばして歩いた方がいいと、ジェスチャーを交えたアドバイスをしてくれた。ついでにマッサージもしてくれるというのでお願いした。
が、足の裏を踏んでもらうも、あまりに痛いので、丁重にお断りした。でもありがとう。
店主にこの店の初代オーナーの写真を見せて頂く。
悲しいことに彼は30代の若さで亡くなってしまったそうだ。その後、ヨーロッパの夫婦だかなんだかがこの店の後を継いだそうなのだが、なんと彼らも亡くなってしまったらしい。現在の店主であるヒッピーのおじさんが3代目なのだそうだ。
時間がないのにも関わらず、茶を飲んだり、マッサージを受けたりでカフェに1時間ほど滞在してしまった。もう間に合わない・・・が、しょうがない。でも後半頑張ればなんとかなるかな。いや、無理か。
そんな思いを抱きながらの出発時、カフェでお茶を飲んでた客のおじさんから「ちょうど出るとこだし、寺行くなら乗ってくか?」と車のお接待のお誘い。渡りに船だ!
お願いします!
じゃあ、助手席片付けるからちょっと待ってて
荷台でも大丈夫です!(片付けさせるのも悪いので)
軽トラの荷台に乗るという少し憧れてた行為にご満悦。
これは普通にやったら道路交通法違反なのだが、荷台に荷物が載っていたので多分大丈夫。荷物の監視や補助という名目としてならOKのはずだ。本当は立ちたかったのだが、さすがにそれはダメだろうと思い控えることにした。(当たり前だバカ)
カフェに1時間滞在したが、約5kmの距離を乗せてもらったので、およそ±0である。
いや〜、なんとかなるもんだ。
第38番 金剛福寺(こんごうふくじ)
納め札が無くなったので売店で購入。
極力荷物を減らすため、寺の分の2枚しか納め札を持ってこなかったのは失敗だった。すっかりお接待を受ける可能性を忘れていたのである。もうバカバカ!・・・なのである。
四国遍路は、足摺岬でちょうど半分の距離らしい。
せっかくだし岬に行こうと思ったが、団体お遍路さんが道を塞いでいたので、寄らずに戻ることにした。なんだかんだで今日はちょっと余裕がない。
といいつつも、道すがら声をかけてくれたお遍路さんと談話。
おじさんの持っている遍路地図を見せてもらう。
かなりざっくりした内容だし、これは車用じゃないの?
・・・と、思ったが一応歩き用でもあるみたいだ。おじさんは、この地図で大まかなルートを把握した後、主にグーグルマップを利用して廻っているのだそう。
なお先ほどのカフェに寄ったかどうかも聞いてみた。
「あぁ、あの怪しいところ?あんなとこ行かない行かない」
あれ?もう閉まっているぞ。今日はもう店じまいなのかな。
高知は遍路者だけではなく、チャリダー、バイカーもやたらと多い。
気候が温暖で、自然が豊か。そして信号の数が少ないからだろうか。
金平庵
道沿いにあったへんろ小屋。ここはいわゆる善根宿である。
室内にはなんとコンロや洗濯機もあった!使えるかどうかは不明だけど。
さらには薪ストーブに、布団も完備!
こういうところにも一度くらいは泊まってみたいものだ。
ここいらは船でくじらを見ることもできるみたいだ。ほえ〜。
ふいにクラクションがなったので視線を移す。音の出所は、軽トラにのったヒッピーのおじさんだった。元今治の青年を家に送って来たんだと。
「迷ったら頭で考えるんじゃなく、心の赴くままに」というようなアドバイスを頂いた。こういうのって分かっちゃいるのだけど、それを実行するのは案外難しかったりする。でも大事なことなんだろう。
この手のことを耳にする機会(作品等)は多々あるが、パッと思いついたのはこの曲だ。
しかし来た道を戻るのってつまらないな・・・。
すごく気になる店だけど、時間がないので素通り。
退屈なので国道沿いの道ではなく遍路道を通ることにしたのだが、大阪の青年から聞いていた通りだった!確かにこれは国道を歩くより時間がかかってしまう。
あらら、浜も通るのかぁ・・・。やっぱり国道沿いを歩いた方がいいかもしれない。
しかし性懲りもなく、再び遍路道を選択。
こっちの道の方が面白いんだからしょうがない。
今日のお宿 ロッジカメリア
なんとか時間内に間に合った。
ベッドの上では折り鶴がお出迎え。
夕食と朝食は、なんとお接待!カレーの米はきっかり1合だそう。
遍路中、人の話ばかり聞いていたが、たまには私も人に話を聞いてもらいたい!
・・・ということで、親切なご主人に話を聞いて頂いた。
うーん。話を聞くのはある程度問題なく行えるようになったのだが、話すことに関しては、まだ頭の中で思っていることと実際に話す声にズレが生じるようで、違和感がある。どうも発する言葉が頭で思い描くようなニュアンスにならないのだ。あと単純に言葉自体が出てこないという状況もままある。
そのあたりが今後の課題だろうなぁ〜。
歩数 | ? 歩 (歩数計を置いて来た為不明) |
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距離 | 約 43 km |