皆が四国遍路に行く理由・目的とは?
歩き遍路をする目的は、日本人の場合『自分の心と向き合う内省の旅』、外国人の場合『他者や異文化との触れ合いの旅』という感じみたいです。
ただこれに関しては日本人の場合は、自国。外国人の場合は、異国ということも理由の1つだとは思います。
また歩きという性質上、ロングトレイルやロングウォークが目的だという方も多いと思います。
私が現地で聞いた(直接、又聞き)感じでは、『願掛け』、『ひまつぶし』、『旅』、『本人や親族の難病』、『たまに家を離れることによる定年後の夫婦円満の秘訣』等ですね。
10代〜20代前半の若い方は、『自分を試したい』とか『やり遂げることで自信につなげたい』、『やりたいことがわからないから』というような方が多く、逆に60代〜70代の方は『行楽・道楽』や『供養』、『今までの人生を振り返るため』だったりするみたいです。
なお現代の歩き遍路は、神や仏にすがるというようななにかしらの救いを求めて遍路をする方は少数で、どちらかというとロングウォークや旅が主な目的だという方が多いような気がします。
ちなみにキリスト教の巡礼であるスペインのサンディアゴ巡礼も今はそんな感じみたいです。
遍路のどこに魅力を感じるのか?
なお四国遍路のどのような点に魅力を感じるかということについては、日本人、外国人共に『自然』『歴史・文化』『住民との交流』がTOP3となっています。
私も『四国の大自然』、『お接待等の独自の文化』、『現地の人々との交流』は非常に魅力的だと感じました。
遍路にリピーターが多いことも肯けます。
そもそも旅の目的とは?
美味しいものを食べたいとか、綺麗な景色を見たいとか、様々な人と触れ合いたいなど、人それぞれ様々な理由があるとは思いますが、旅の目的は、大きく分ければ以下の3つになると思います。
❶異なる文化や考え方、見たことのない景色等の自分の知らなかった世界を知ること
❷日常生活を一時的に離れて自己を見直すこと
❸必ず起こる旅先でのハプニングやアクシデントに対応すること
で、これをさらに突き詰めると・・・
『世界を知る(外側)』+『自分自身を知る(内側)』+『対応力を身につける』
=『人として成長する』
となります。
つまり旅の目的は成長のためだったり、今の自分を乗り越えることといえるのではないでしょうか?
それが普段の生活の逆境やピンチではなく、旅は自ら行きたいと願い、且つ現地で楽しみながら行えるというところが魅力なのかもしれません。
実際の所、『行けば何かが変わる』と思って旅に行くという方は多いのでは?
遍路はどんな人に向いているの?
・やりたいことがわからない方
・悩みを抱えてる方
・故人の供養がしたい方
・歩くのが好きな方
・自然・田舎が好きな方
・アウトドアが好きな方
・神社仏閣が好きな方
・仏教に興味のある方
・旅や旅行が好きな方
あと外国から訪れた旅行者と交流したいという方にもおすすめです。
実際に遍路をする人はどんな人?
働いている方は、週末や長期休暇を利用して複数回に分けて遍路をする『区切り打ち』の方が多いです。
一度に全部の寺を廻る『通し打ち』場合は、歩き遍路で通常40〜50日、自転車で20日、車やバイクでも10日くらいはかかるので、その時間を確保できる方のみとなります。
具体的には以下の方々です。
・定年退職後のおじさん・おばさん
・自由業(フリーランス)の方
・外国の方(長期休暇)
・学生(夏休み等の長期休暇や休学)
・仕事を辞めた方(転職を考えている方)
・ニート・引きこもり
正直な所、日本にお住まいの場合だと時間の確保が難しく、これらの方々ぐらいしか通し打ちはできないというのが現状です。
ただ看護師のように国家資格が強く、且つ、転職回数が多いような職種の方は、比較的遍路に行きやすい環境にあるとは思いますし、鬱など心の病で退職せざるを得なかった方の社会復帰のリハビリにも向いているような気がします。
海外から来た方は2ヶ月ほどの長期休暇を利用して来たというケースが多かったのですが、日本もそうなってくれるといいですね。
おまけ:四国遍路の現状と今後の展望について
四国経済連合会・四国アライアンス共同調査報告書である『新時代における遍路受入態勢のあり方 ~遍路宿泊施設の現状・課題等調査~』報告書(2019年6月)をご覧ください。
四国遍路の現状と今後の展望がわかります。
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